中華人民共和国民法典の解説ー2ー
2022年05月24日弁護士コラム
2020年中華人民共和国民法典の概説
2020年中華人民共和国民法典は、第1編「総則」、第2編「物権」、第3編「契約」、第4編「人格権」、第5編「婚姻家族」、第6編「相続」、第7編「不法行為責任」、及び「附則」から成ります。
日本民法の5編構成とは異なり7編構成である他、「人格権」や「不法行為責任」が独立の編として設けられていることが大きな特徴と言えるでしょう。 また、新しい法律であることから、非常に新しい規定が置かれている点も特徴です。
例えば、ファイナンスリース、ファクタリングといった非典型担保契約の機能を明確に定めています(日本の民法典にはこれらの規定がありません)。また、インターネット経済の急速な発展に対応するため、電子契約に関するルールも充実しています。
また、特徴的な契約類型として、不動産管理サービス契約やパートナーシップ契約などについても定められています。
さらに、第4編「人格権」においては、人格権の種類、内容、保護方式等々の定めの他、セクシャルハラスメント防止関連規定なども置かれています。
次回からは、これらの2020年民法典の規定を、順を追って述べてゆく予定です。