JICAネパール国別研修「民法改正及び運用改善」にて講義を実施しました


2023年12月15日お知らせ

JICA令和5年度ネパール国別研修「民法改正及び運用改善」の一環として、当事務所の三上弁護士が「高齢者の権利保護に関する実務の対応」についての講義を実施しました。

 

令和5年12月8日、JICA東京センターにおいて、令和5年度ネパール国別研修「民法改正及び運用改善」の一環として、当事務所の三上弁護士が「高齢者の権利保護に関する実務の対応」についての講義を実施しました。

 

ネパールでは、2006年に内戦が終結した後の平和構築・民主化プロセスにおいて、基本法の制定を始めとする法整備が司法セクターの主要な課題の一つとされてきました。特に、150年以上前に制定されたムルキ・アイン(民法、刑法、民事訴訟法及び刑事訴訟法等が渾然一体となった法)を近代化する機運が熟し、その中でJICAが2009年から民法典の起草支援を開始してきました。

 

今回の研修は、ネパールの民法典の改正及び運用において中心的な役割を担う法・司法・議会省職員、裁判官、弁護士、大学教授、検察官に対して、日本の法司法制度や実務に関する見識を深めることを通じて、民法典の課題や実務の改善点を特定して今後の方針を策定することを目的として実施されました。

 

三上弁護士からは、「高齢者の権利保護に関する実務の対応」と題して、財産管理委任契約や家族信託、任意後見制度や法定後見制度といった日本における認知症高齢者の財産管理に関する法制度の概要説明や実務における課題等の紹介が行われました。参加者からも多数の質問が寄せられ、非常に活発な質疑応答がなされました。

 

当事務所では、成年後見業務にも力を入れており、事務所全体で130名以上の方の後見業務を担当しております。日々の後見業務に丁寧に対応することはもちろんのこと、業務から得られる知見を生かして、今後とも国内外の法制度の改善・発展にも貢献していきたいと思います。

弁護士 三上早紀